シンプルなテスラコイル、slayer exciterの作り方

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テスラコイルは放電が魅力的ですが、設計や部品の入手が面倒です。
実際、海外の回路図通りに作っても動作しませんでした。

今回は、最少2個のパーツで作れるシンプルなテスラコイル。
slayer exciterを紹介します。

海外では

  • slayer exciter
  • GBluer Exiter
  • SEC exciter

この様に呼ばれていますがslayer exciterをエキサイト翻訳で翻訳すると
殺害者励磁機と訳されるのでシンプルなテスラコイルまたは
slayer exciterとそのまま表記する事にしました。

12Vで動く、slayer exciterの作り方

12Vで動く、slayer exciter

注意

シンプルなテスラコイルですが環境によってはコロナ放電が生じるほどの
高電圧が発生します。

2次コイルに発生するのは高周波なので感電はしませんが
触ると熱いと感じヤケドや肉が焼けた臭いがします。

場合によってはトランジスタから発火する可能性もあるので
火事に至るかもしれません。

パソコンの近くで動作させると、誤動作などを起こす可能性があります。

slayer exciterを作る際は自己責任でお願いします。

最低2つ、トランジスタと抵抗とコイルだけでも動きますが
安全とコロナ放電をより強くする為部品を追加しています。

slayer exciterの回路図

 

slayer exciterの回路図 / schematic by @eaxjp

必要な部品

  1. 1MΩ抵抗※
  2. 22μF積層コンデンサ
  3. ヒューズホルダとヒューズ1A
  4. LED
  5. NPNトランジスタ※

と1次、2次コイルは別途必要です。
場合によってはトランジスタの放熱の為、ヒートシンクが必要になります。

電源は12Vですが19Vでも動作しました。
トランジスタの放熱が多くなるのでヒートシンクを大きくする必要があります。

※印の付いている部品は必ず必要です。

では部品別に説明します。

ヒューズホルダとヒューズ1A

1次コイルに発生するサージによるトランジスタが壊れる事があります。

絶縁モードで壊れてくれれば全く問題ありません。
しかし、ショートモードで壊れる事もあるのでヒューズを入れています。

ポリスイッチでは自動的に復帰してしまう為
ヒューズを使用しています。

最初0.5Aのヒューズを使用していましたが、
2次コイルで放電させているとヒューズが切れる事があったので
1Aのヒューズを使用しています。

19Vの電源電圧でも切れることはありません。

1MΩ抵抗

画像検索で出る回路図を見ると10KΩになっている事もあります。

私が試した結果フィードバック信号が弱く10KΩのプルアップで
信号が消されてしまうのか動作しませんでした。

逆にあまり抵抗を弱くすると1次コイルに発生するサージが
トランジスタを壊してしまう可能性があります。

LED

無くても動作するけど、あった方が良いかもしれない。

動作確認とベース保護を兼ねています。
1次コイルに発生するのは交流なので逆電圧も含みます。
この逆電圧でLEDを点灯して逆電圧が少なくなる様にしています。

実際は、電流がとても小さいので逆電圧でも影響は少ないと思います。

22μF積層コンデンサ

無くても動作するけど、あった方がコロナ放電がより大きくなります。

マルツエレックで売っている積層コンデンサで大きい容量を買いました。
試しに電解コンデンサとくらべてみましたがそう変わらなかったので
積層コンデンサを使用しています。

電解コンデンサだと突入電流があるのでヒューズが切れたり
などの問題が発生します。

トランジスタを直にフィードバックからドライブしているので
電流も弱いので電解コンデンサも効果が薄かったのだと思います。

FETドライバを使用しMOS-FETを使用すれば、より大電流が流れるので
その場合は電解コンデンサの方が良いと思います。

NPNトランジスタ

私は2SC3422、2SC3421を使用しています。

最初は2SC3422でしたが2次コイルとドライバで放電させていたら
動作しなくなりました。

2SC3422は6個ほど壊し、その後耐電圧の高い2SC3421にしました。

電流によってはヒートシンクが必要かもしれません。
しばらく動作後に電源を切ってからトランジスタを触って
熱い様ならヒートシンクを取り付けて下さい。

動作中は1次コイルにもサージ電圧が発生しているので
コイルやトランジスタ付近の回路に動作中触ると電気を感じる事があります。

slayer exciterで出来る事

コロナ放電

slayer exciterでコロナ放電

本家テスラコイルの様に派手な放電はありませんが
12Vの入力でも5ミリほどの小さなコロナ放電が確認出来ます。

コロナ放電しない場合は、指やドライバーで一瞬触ると
放電が始まる事があります。

コロナ放電は小さな炎の様なモノなので
ビニール袋などを近づければ溶け引火します。

回りの可燃物には気を付けましょう。

蛍光灯&LEDの点灯

slayer exciterで赤色LEDが点灯している様子

蛍光灯やLEDを近づけると光ります。
LEDは片方のリードを手で持って、もう片方をコイルに近づけます。

遠ざけると光りの強さが弱くなります。

電卓や電子機器などの誤動作・破壊

slayer exciterから放出される高周波で気圧計が誤動作している

コイルに近づけると、気圧計もこの様に誤動作します。
iPhoneも近づけるとタッチが効かなくなります。

誤動作の場合はコイルから離せば、元に戻ります。

ただし、強力な高周波だけで壊れてしまうデバイスもあるかもしれない
ので注意して下さい。

パソコンも、キーボードやマウスなどUSB機器が使えなくなったりします。
一度抜き差しすれば復活します。

ラジオにノイズが入る

AM・FMラジオ両方にノイズが入ります。
コイルにラジオを近づけるとサーと言うノイズで
放送がかき消されてしまいます。

自分の部屋だけで無く、下の階にもラジオが聞きにくいなどの
影響が及ぶ可能性があります。

コロナ放電をより大きくする方法

いろいろ試行錯誤した結果、この様な事でコロナ放電をより
長く・大きく出来る様です。

コイルの下にアルミなど金属板を敷く

コイルの下に金属の板を敷くと放電が大きくなります。

一時期は無かったのでMac book airで代用していました。
現在はプラスチックの板にアルミホイルを乗せて使っています。

いろいろ試すと、コイルの下に金属が有れば良い様です。

金属板とGNDを繋ぐ

コイル下に敷いた金属板と回路のGND部分を導通させると
放電が大きくなります。

GNDに接続する金属板は、コイルの下に敷かなくても問題はありません。
近くに置いた方が放電はより大きいです。

針先を尖らせ、長さを変える

テスラコイルはトロイドと呼ばれる円形のモノをコイルの上に乗せます。
しかしslayer exciterでは、そこまで放電が強く無いので
エナメル線そのままの事が多いです。

今回作ったslayer exciterはコイルの上に長ナットで
針金で作った放電針を付けています。

針はより尖らせるたり、長さを変えると放電の大きさが
変わります。

まとめ

今回はVP25という外径が32mmのパイプに0.2mmのエナメル線を
巻いて2次コイルを作りました。

巻数は約630。

1次コイルは大きさや巻数などを変えて動作確認し
より放電の大きい巻数や大きさになる様に調整します。

秋月でFETドライバIR4427PBF を入手したので
今度はMOS-FETを使用したslayer exciterを作りたいと思います。