実用性皆無、トリチウム管を使った原子力電池の自作

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先日こんな記事がありました。
持続時間なんと12年! 驚異のモバイルバッテリーをウクライナの科学者が発表、その仕組みとは

YouTubeには英語ですがこんな動画が。

どちらもトリチウムを使った原子力電池ですが
今回はトリチウム管を使った原子力電池を作りました。

トリチウム管と日本の規制

海外では比較的明るいトリチウム管やトリチウム管を使ったキーホルダーなどが
売られていますが日本ではほとんど見ません。

イギリスの大学で水道管のモニタリングシステムにトリチウム管を使った
原子力電池を使っていましたが日本では出来ません。

【参考】Real Time Condition Monitoring of Buried Water Pipes
(リンク切れ)

上のサイトでは12個のトリチウム管を使っていましたが
日本では違反になります。

日本では無許可で使える放射性物質は1GBqまで。

これが1個1個バラバラなら問題ない様ですが
ケースに入れるなど1つにまとめると1GBqの制限が掛かるので
イギリスの様が方法は日本では出来ません。

詳しくはどこにも詳細は書かれて無いので分かりません。

光電変換型原子力電池のしくみ

光電変換型原子力電池とは放射性物質が発する放射線を
蛍光塗料などで可視光線に変換し、可視光線を電力に変換する原子力電池のこと。

2度変換しているので低出力で効率は悪いです。

必要な物は2つ

  • トリチウム管
  • ソーラーパネル

ソーラーパネルは結晶シリコンでは無く、アモルファス太陽電池。

単結晶や多結晶シリコン太陽電池の方は変換効率は高いですが
弱い光りだと出力が出ません。

アモルファス太陽電池はソーラーパネル付電卓は蛍光灯下でも使える様に
弱い光りでも多少出力は出ます。

使うソーラーパネルは100円ショップの電卓をバラして使いました。

トリチウム管の入手

国内の基準、1GBqに適合したトリチウム管ならこちらのサイトから購入出来ます。
ライジングイール / トリチウム管

ここで8mmのトリチウム6個買いましたが複数のトリチウム管をまとめると
規制に引っかかるみたなので断念。

アマゾンで22mmのトリチウム管を買いました。
コチラは基準に適合しているかは分かりません。

何か規制が入ったのかは分かりませんが、
アマゾンからトリチウム管が消えてしまいました。

1週間ほどで届きました、宅急便の送り主がスコアジャパンとなっていたので
多分中国から発送されたのでしょう。

ebayなどで探して個人輸入すれば入手は出来ますが
税関などで引っかかる可能性もあるのであまりオススメではありません。

実用性皆無な原子力電池ONB-2

内部の構造はこの様になっています。

原子力電池ONB-2の構造図

1本のトリチウム管を2枚のアモルファスソーラーパネルで挟んでいます。
挟んだ後はテープで固定しショートしない様にアルミホイルで包みます。
その上からアルミテープで固定します。

この原子力電池コアが出来た段階でテストした所直列よりも並列の方が
電解コンデンサへの充電が早かったので並列接続にしました。

ケースはタカチのMB-1にホームセンターで売っていた取手を付けました。
上部にバナナ端子を接続出来る端子を設置。

トリチウム管もソーラーパネル両方共ガラス製で割れるので
ケース内部には金魚用のウールマットを3枚ほど入れ中で動かない様にしました。

ケース完成あと、シールを作って貼りました。


原子力電池ONB-2

こちらと同じく、型式を大きく表示しました。
ONBは光電変換型原子力電池の英訳、optoelectric nuclear batteryの
頭文字をとったもの。

ONB-1は上でも書きましたが8mmのトリチウム管を使う予定だったので
ソーラーパネルをONB-2に再利用し解体されました。

上部の端子にバナナプラグを接続して使用します。

原子力電池ONB-2の上部の端子に接続している様子

 

原子力パワーを貯める電解コンデンサ

ONB-2の開放電圧は0.6Vほどあるものの
負荷を掛けるとほとんどセロになってしまいます。

そこで、100μFの電解コンデンサに蓄電してみました。
蓄電には数時間要します。

蓄電出来るコンデンサは電気二重層コンデンサ、電解コンデンサやOSコンなど。

実験したのは下の4つ、左から1Fの電気二重層コンデンサ、1000μFの電解コンデンサ、
中華製100μFの電解コンデンサ、470μFのOSコン。

1Fの電気二重層コンデンサ、1000μFの電解コンデンサ、 中華製100μFの電解コンデンサ、470μFのOSコン

結果、OSコンはリークが多いのか0.02V以上電圧が上がらず。
電気二重層コンデンサは容量が大きすぎるのか電圧が上がらずダメ。

1000μFと100μFの電解コンデンサは1.6Vぐらいまで充電出来ました。
100μFは数時間、1000μFは半日か一晩ほどで充電出来ています。

原子力で動く電卓

原子力で動く電卓

元々は100円ショップで売られていたソーラー電卓。
ソーラーパネルをONB-2で使ったので電源用の線を外に出し
外部の電源で動作する用にしました。

接続するのはソーラーパネルで使っていた所、
1V以下になると表示が薄くなります。

 

まとめ

使わない時は100円ショップのコンテナに入れています。

コンテナに収納した原子力電池ONB-2

海外のYoutubeなどを見ると温度計を動作させたり
電気二重層コンデンサへの充電などはトリチウム管の光りが強い
ので日本ではムリです。

海外では日本の様な規制は無いので海外では普通に売られていますが
日本ではほとんど見ません。

実際作っても実用性は皆無。

100μFの電解コンデンサだと電卓を数秒表示出来て
1000μFだと数十秒動作が可能です。

でも、蛍光灯ぐらいの明るさがあればソーラーパネルでOKなので
わざわざ原子力電池を使う必要は全くありません。

もう少し大きな電解コンデンサに蓄電して
ブロッキング発振回路で白色LEDを点灯し無理やり
実用性を作ってみようかと思っています。