USB式ハクキンカイロ点火機を作った

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冬に重宝するハクキンカイロ、使い捨てではなく
ベンジンを入れることで何回も使えるエコなカイロです。

ただ、ベンジンを入れるだけ、ではなく点火をしないと
暖かくなりません。

ハクキンカイロの点火はライターを使う場合が多いのですが
出かける前にライターのガスがなくなっていて点火できないことが
あったので、不便に感じていました。

また、ライターの炎の当て方によっては、触媒を劣化させてしまうので
USBとニクロム線を使った点火機を作りました。

旧点火機

ニクロム線を使った旧ハクキンカイロ点火機

旧点火機は切ったユニバーサル基板とニクロム線で作りました。
マイクロUSBもセリアで売られていたケーブルを分解して使用しました。

ニクロム線に流れる電流は約1Aなのですが、あるモノで作ったので
スイッチの定格をオーバーしている可能性があります。

見た目も悪いので、新たに作ることにしました。

ハクキンカイロ点火機 p-Kairo Igniter

ハクキンカイロ点火機 p-Kairo Igniter V3

ニクロム線を使った点火機は、高温になるので3Dプリンタは使えません。

ニクロム線が赤熱すると温度が数百度になる一方で
3Dプリンタで使っているPLA樹脂のガラス転移点が60度で
変形する可能性があります。

そこで、点火機用の基板を作って、点火機とします。
基板なら半田が溶ける温度ぐらいは耐えられます。

この基板は、KiCADで設計し、JLCPCBで注文しました。

回路と部品

ハクキンカイロ点火機 p-Kairo Igniterの回路図

USBから給電して、MOS-FETをスイッチとして使い、
出力側にLEDを付けて、ショート時の対策にポリスイッチを付けました。

タクトスイッチは50mAまでしか流せないので、MOS-FETを使用しています。

USBコネクタは最初、
ヒロセ電機株式会社の表面実装用USBコネクタZX62-B-5PA(33)
を使用していました。

しかし、ピンが内側にあるので、手半田しずらく、半田を入れすぎると
シールドにも半田が付いて、失敗しました。

なので、USBコネクタは、電源供給専用のコネクタ(MRUSB-2B-D14NI-S306)に
変更しました。

使用した部品

番号部品名秋月通販コード
J1マイクロUSBコネクタ 電源供給用110398
Q1PchパワーMOSFET 30V4A AO3401A114654
SW1表面実装用タクトスイッチ TS-06104115969
R1,R2超精密級 金属皮膜チップ抵抗器 2012 1/8W1kΩ111796
D1表面実装 青色LED [3216] OSB5120641E109635
F1表面実装用ポリスイッチ 1.1A113955

上の部品はすべて秋月電子通商で購入しました。
F1の表面実装用ポリスイッチは在庫限りなので、品切れの可能性があります。

基板にニクロム線を固定するM3ボルト・ナットと
ニクロム線はDCMで購入しました。

ニクロム線

ニクロム線はDCMで購入しましたが、アマゾンでも購入できます。

エルパ (ELPA) ニクロム線5M 5m φ.26mm発熱線 HK-NK05H

エルパ (ELPA) ニクロム線5M 5m φ.26mm発熱線 HK-NK05H

268円(10/12 21:47時点)
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このニクロム線を安定化電源でテストしたところ、
約18cmで1Aとなりました。

巻くと少し長いので、約16cmで使用します。

アマゾンで太さが0.1mmのニクロム線を買いましたが、赤熱してくると
変形するので、DCMで購入した0.5mmのニクロム線を使っています。

旧点火機では太めに巻いていましたが、今回は
2mmの太さにニクロム線を巻いています。
2mmの太さで巻くことで、赤熱がより強くなりました。

使ってみた

USB式ハクキンカイロ点火機で触媒を反応させている様子

基板中央にある、タクトスイッチを押すとニクロム線が発熱します。

しばらく押しっぱなしにすると、ニクロム線が赤熱します。
赤熱したニクロム線を、ハクキンカイロの触媒に近づけて、反応させます。

しばらく使って無い場合は、赤熱させないと反応しないことが多いですが
毎日使っている場合は、赤熱させなくても反応します。

ニクロム線を触媒に接触させると、触媒が劣化するので
接触させない様にします。