
3Dプリンターで自作したマイクロピペット

3Dプリンターで自作したマイクロピペットの特徴
PLAフィラメント、5mmパイプのチップ口とチップ代わりのスポイト以外は すべてホームセンターで買えるモノです。 このピペットはゴム手袋をシリンダ代わりに使っているので 膜が破れてもゴム手袋、マスキングテープと自己融着テープを変えるだけなので 安く取り替えができ、ホームセンターで入手可能です。 ネットで出まわっている3Dプリンタで作成可能なマイクロピペットだと 容量を設定しにくいので新たにゼロから作りました。 今のマイクロピペットはバージョン4です。使用する部品
M4ネジ棒 M4ナット×2 M4ワッシャー×2 ニトリルゴム製極薄手袋 自己融着テープ マスキングテープ 押しバネ 外径5mmアルミパイプ アルミパイプは東急ハンズで購入した外径5mm、肉厚1mm、長さ300mmのモノ。 他にはM4ネジ棒の接着や、アジャスターの補強に接着剤が必要です。作り方
まずは3Dプリンタで部品を出力します。部品は全部で4つです。 ファイルはこちら マイクロピペットVer42ファイル 再配布禁止、作る場合は自己負担でお願いします。 上部ボディーはM4ネジ棒貫通している穴がありますが、 M4ネジ棒が通らない場合4.5mmのドリルで穴を拡張します。 ボタンにM4ネジ棒が入らない場合は4.0mmのドリルで穴を拡張します。 接着剤は基本的にはエポキシ系接着剤、上M4ナットの固定のみ 瞬間接着剤を使っています。 瞬間接着剤だと強引に回せば剥離し取れるので 再調整の時にアジャスターや上部ボディが再利用できます。上部ボディ
まずは、M4ネジ棒を約100mm スプリングを約30mmに切ります。 長過ぎるとボタンが押しにくいですし、短いと容量が少なくなってしまいます。 長さは調整が必要です。 M4ネジ棒にボタンを接着します。 次にアジャスターにM4ナットを圧入します。 M4ナットは厚さ3mmでアジャスターのナットが入る深さは2mm、 1mmアジャスターからはみ出る様になっています。 3Dプリンタで出力すると反ったりするので ナットが当たる様にしています。 プライヤーなどで押し込んでも良いですが 私は余ったネジ棒とナットで押し込みました。



下部ボディ
下部ボディはチップ口が付いているだけのシンプルな構造です。 チップ口は5mmのアルミパイプですが、チップが挿しやすいに ヤスリとペーパーで仕上げています。 チップ口はエポキシ接着剤で接着し、余った接着剤を 下部ボディの内側に薄く塗っておけば漏れの防止になります。結合
何もない状態で上部と下部ボディを結合してみて ある程度抵抗があるならOKです。 キツ過ぎる場合は、上部ボディーの側面をヤスリなどで 少し削ります。 まずゴム手袋にマスキングテープを貼ります。 7mm×7mmぐらいの大きさです。



使い方
ボタンを回すと容量を調整できます。 左回りが増、右回りが減です、ボタンを回す事でアジャスターが上下します。 容量を大きくしすぎるとネジ棒が下部ボディに接触し ゴム手袋の膜を破いてしまいます。 小さめの容量から試してください。 次にチップを取り付けます。 チップ口は内径4mmのモノが取り付けられる様になっているので 金魚などで使うエアーチューブでも代用可能です。 マイクロピペットのボタンを押した状態で チップ先を少し沈め、ボタンを離します。 0.3ml、0.5mlなどではボタンをできるだけ、ゆっくり離します。 ボタンを離してもしばらくは液を吸っているので、数秒待ちます。 再びボタンを押すと液が排出されます。 概ね市販のマイクロピペットと使い方は同じですが 第2ストップやチップを取り外すイジェクターボタンはありません。目盛りを付ける
アジャスターの横に三角のマークがあり、 ここにマスキングテープを貼って目盛りを書いています。 目盛りはネジ棒の長さなどのよって位置が変わるのでは 上部ボディーに刻んでおく事ができません。 目盛りを付けるのに必要な道具があります、 それがはかりです。 水は1ml=1gなので、0.1ml(100ul)=0.1gになります。 目的の容量になる様ボタンを回し、アジャスターを調整し ある程度合った所に目盛りを書きます。 はかりが無い場合、内径4mmのチューブだと8mmの長さで 約0.1mlとなるのでこれを目安に目盛りを書きます。まとめ
完成すると、この様になります。


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