3Dプリンターでマイクロピペットを自作

 ゾウリムシの植え継ぎや、ペットボトルへのカルキ抜きを入れるのに
0.1ml単位の量を入れています。

カルキぬきは、使い捨てのピペットにも目盛りが無く0.5ml入れていましたが
面倒になったのでマイクロピペットを買おうかと思いました。

市販品だと、8000円以上します。

045 PPLS マイクロピペット ピペッター100-1000μl 可変式

045 PPLS マイクロピペット ピペッター100-1000μl 可変式

8,200円(09/13 15:51時点)
Amazonの情報を掲載しています

ネットにはオープンソースの3Dプリンタで作成可能なマイクロピペットがある
みたいなので3Dプリンタで作る事にしました。

なお、3Dプリンタで作るマイクロピペットは精度は良くないので
精度が欲しいなら市販品を買うことをオススメします。

調整すれば、これぐらいです。

300ulに設定された自作マイクロピペットと0.91g表示のはかり(300ul × 3回)

Adjustable Volume Straw Pipette
海外のこのマイクロピペットを参考にしつつ
新たに作り直しました。

大体100ul(0.1ml)から500ulぐらいまで扱えます。

3Dプリンターで自作したマイクロピペット

 3Dプリンターで自作したマイクロピペット、オレンジ色は試作品

チップには、使い捨てピペットを切ったモノを使用

ディスポPEピペットスポイト(滅菌済み) 1ml PE 1ml

ディスポPEピペットスポイト(滅菌済み) 1ml PE 1ml

1,066円(09/13 15:51時点)
Amazonの情報を掲載しています

このマイクロピペットはシリンダでは無く
ゴム手袋の膜を使用したモノなので、吸い込み口が小さいと、吸い込み量が少なくなります。

ストロー状のモノであれば、長くても短くても誤差は少ないようです。

3Dプリンターで自作したマイクロピペットの特徴

PLAフィラメント、5mmパイプのチップ口とチップ代わりのスポイト以外は
すべてホームセンターで買えるモノです。

このピペットはゴム手袋をシリンダ代わりに使っているので
膜が破れてもゴム手袋、マスキングテープと自己融着テープを変えるだけなので
安く取り替えができ、ホームセンターで入手可能です。

ネットで出まわっている3Dプリンタで作成可能なマイクロピペットだと
容量を設定しにくいので新たにゼロから作りました。

今のマイクロピペットはバージョン4です。

使用する部品

M4ネジ棒

八幡ねじ 長ねじ M4×285 P0.7

八幡ねじ 長ねじ M4×285 P0.7

133円(09/13 15:51時点)
Amazonの情報を掲載しています

M4ナット×2

八幡ねじ ステンレス 6角ナット M4 P0.7

八幡ねじ ステンレス 6角ナット M4 P0.7

129円(09/13 15:51時点)
Amazonの情報を掲載しています

M4ワッシャー×2

八幡ねじ ステンレスワッシャー M4×10mm 20枚入

八幡ねじ ステンレスワッシャー M4×10mm 20枚入

129円(09/13 15:51時点)
Amazonの情報を掲載しています

ニトリルゴム製極薄手袋

自己融着テープ

ニトムズ 自己融着テープ 19mm×2m M5010

ニトムズ 自己融着テープ 19mm×2m M5010

262円(09/13 21:41時点)
Amazonの情報を掲載しています

マスキングテープ

3M スコッチ 塗装用マスキングテープ 15mm×18m M40J-15

3M スコッチ 塗装用マスキングテープ 15mm×18m M40J-15

74円(09/13 21:41時点)
Amazonの情報を掲載しています

押しバネ

WAKI ステンレス 押しバネ 0.5X5X70mm SR-434

WAKI ステンレス 押しバネ 0.5X5X70mm SR-434

106円(09/13 21:41時点)
Amazonの情報を掲載しています

外径5mmアルミパイプ
アルミパイプは東急ハンズで購入した外径5mm、肉厚1mm、長さ300mmのモノ。

他にはM4ネジ棒の接着や、アジャスターの補強に接着剤が必要です。

作り方

まずは3Dプリンタで部品を出力します。部品は全部で4つです。
ファイルはこちら マイクロピペットVer42ファイル

再配布禁止、作る場合は自己負担でお願いします。

上部ボディーはM4ネジ棒貫通している穴がありますが、
M4ネジ棒が通らない場合4.5mmのドリルで穴を拡張します。
ボタンにM4ネジ棒が入らない場合は4.0mmのドリルで穴を拡張します。

接着剤は基本的にはエポキシ系接着剤、上M4ナットの固定のみ
瞬間接着剤を使っています。

瞬間接着剤だと強引に回せば剥離し取れるので
再調整の時にアジャスターや上部ボディが再利用できます。

上部ボディ

まずは、M4ネジ棒を約100mm
スプリングを約30mmに切ります。

長過ぎるとボタンが押しにくいですし、短いと容量が少なくなってしまいます。
長さは調整が必要です。

M4ネジ棒にボタンを接着します。

次にアジャスターにM4ナットを圧入します。

M4ナットは厚さ3mmでアジャスターのナットが入る深さは2mm、
1mmアジャスターからはみ出る様になっています。

3Dプリンタで出力すると反ったりするので
ナットが当たる様にしています。

プライヤーなどで押し込んでも良いですが
私は余ったネジ棒とナットで押し込みました。

アジャスターにM4ナットを圧入している

マイクロピペット、アジャスターの圧入したM4ナット

ナットを圧入する穴は四角になっているので
角に接着剤などを入れて補強します。

次に接着剤したM4ネジ棒付きボタンにスプリング、ワッシャ
を入れます。

この時にこれを一度上部ボディに上から差し込みボタンをいっぱいまで押して
下部から飛び出しているM4ネジ棒の長さが約10mm以下の場合
0.5ml取れない可能性があります。

上部ボディにアジャスターを入れます。
アジャスターが回らない様にする溝があるのでこれを合わせます。

入れる時はキツイので立てにしてから、横にする様な感じで入れます。
入ったら、上部ボディを振ってみてスムーズにアジャスターが動くか確認してください。
擦る場合はヤスリなどで削ります。

ボタン付きM4ネジ棒、スプリング、ワッシャーを上部ボディに差し込みます。
上部ボディの窓からワッシャを入れ、M4ナットを入れます。

入ったらボタンを回して、アジャスターの下まで、M4ネジ棒を貫通させます。

このマイクロピペットはボタンを回して調整するので
M4ネジ棒がゴム手袋の膜に触れない様に上のM4ナットを調整します。

ゴム手袋の膜に触れないように、M4ネジ棒の位置を調整

あまりスペースを取りすぎると、取れる容量が少なくなるので要注意です。

上M4ナットでの調整が完了したら、ボタンを押し込んで
下からM4ナットを入れます。

こうする事で上M4ナットにスペースが出来ます。
上M4ナットの上側から瞬間接着剤を入れ、動かない様に固定します。

接着剤が乾けば上部ボディは完成です。

下部ボディ

下部ボディはチップ口が付いているだけのシンプルな構造です。

チップ口は5mmのアルミパイプですが、チップが挿しやすいに
ヤスリとペーパーで仕上げています。

チップ口はエポキシ接着剤で接着し、余った接着剤を
下部ボディの内側に薄く塗っておけば漏れの防止になります。

結合

何もない状態で上部と下部ボディを結合してみて
ある程度抵抗があるならOKです。

キツ過ぎる場合は、上部ボディーの側面をヤスリなどで
少し削ります。

まずゴム手袋にマスキングテープを貼ります。
7mm×7mmぐらいの大きさです。

ゴム手袋に貼り付けた7ミリ角のマスキングテープ

ネジ棒に少し尖っている箇所があるので
ゴム手袋が破けないように保護します。

マスキングテープをネジ棒側にして上部ボディーの下側に当てます。

上部ボディーに当てたマスキングテープ付きゴム手袋

この時、マスキングテープが中心からずれないように
写真の部分、平たい所にシワができないようにします。

もし漏れる場合は、外周にワセリンを塗ります。
もしかしたら、下部ボディの積層の間から漏れている可能性もあるので
その場合は、下部ボディ内部に薄くエポキシ接着剤を塗ります。

これを下部ボディーに付けます。

ゴム手袋と下部、上部ボディーと結合された

このままだとゴム手袋が邪魔になるので
3~5mmを目安に切ります。

このゴム手袋は考えて場所を使えば3回以上使えます。

下部、上部が結合されたマイクロピペットと、結合部からはみ出したゴム手袋   

このゴム手袋がはみ出ている所に自己融着テープを巻きます。

自己融着テープは水道管の補修でも使われる様で、密閉性があります。

同じようなテープでビニールテープがありますが
安いのですが、剥がした時にベトベトするのでオススメしません。

使っていると自己融着テープがめくれてくるので
保護のためマスキングテープを一周貼ります。

使い方

ボタンを回すと容量を調整できます。
左回りが増、右回りが減です、ボタンを回す事でアジャスターが上下します。

容量を大きくしすぎるとネジ棒が下部ボディに接触し
ゴム手袋の膜を破いてしまいます。

小さめの容量から試してください。

次にチップを取り付けます。
チップ口は内径4mmのモノが取り付けられる様になっているので
金魚などで使うエアーチューブでも代用可能です。

マイクロピペットのボタンを押した状態で
チップ先を少し沈め、ボタンを離します。

0.3ml、0.5mlなどではボタンをできるだけ、ゆっくり離します。
ボタンを離してもしばらくは液を吸っているので、数秒待ちます。

再びボタンを押すと液が排出されます。

概ね市販のマイクロピペットと使い方は同じですが
第2ストップやチップを取り外すイジェクターボタンはありません。

目盛りを付ける

アジャスターの横に三角のマークがあり、
ここにマスキングテープを貼って目盛りを書いています。

目盛りはネジ棒の長さなどのよって位置が変わるのでは
上部ボディーに刻んでおく事ができません。

目盛りを付けるのに必要な道具があります、
それがはかりです。

水は1ml=1gなので、0.1ml(100ul)=0.1gになります。

目的の容量になる様ボタンを回し、アジャスターを調整し
ある程度合った所に目盛りを書きます。

はかりが無い場合、内径4mmのチューブだと8mmの長さで
約0.1mlとなるのでこれを目安に目盛りを書きます。

まとめ

完成すると、この様になります。

3Dプリンターで自作したマイクロピペット、オレンジ色は試作品

上部ボディーには引っ掛ける所があるので、
棚や引き出しの取手に掛けておく事ができるので便利です。

現在のバージョン4ですが、
最初は、ボタンで量を調整していました。

マイクロピペット @eaxjp ver.1

加工精度や反りで誤差が出るので廃止し
次が2です。

 マイクロピペット @eaxjp ver.2

これは大きめなワッシャをM4ネジ棒に付け
横のM3ナットで止める仕組みでした。

しかし、M3ボルトにワッシャが干渉する事があるのと
市販品みたいにボタンで容量を調整したいので廃止。

バージョン3はほぼ現行と同じですがバネに位置が違いました。

マイクロピペットを作ってからカルキぬき剤の注入や
ゾウリムシの植え継ぎはこのマイクロピペットで行うようになりました。