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秋月で売られている村田製作所のマイクロブロアMZB1001T02。
前回はこれを利用し金魚用エアーポンプを作りました。
【関連】音が静かなピエゾ式フリスクエアーポンプを自作した
しかし、水作エイト用のプラストーンでないとエアーを出せず、
それ以外のエアーストーンではエアーが出ないほど出力は弱いです。
駆動回路は秋月のサイトにもあるNE555を使用したモノを
使用していますが問題点が2つ。
- DC駆動
- 電圧が16V以下に制限される
マイクロブロアがNE555のOUTとGND間に接続されているので
DC駆動となります。
NE555の動作電圧が16Vなので電圧が掛けられません。
そこでLTspiceを使っていろいろシュミレーションしてみました。
NE555を使った駆動回路(ドライバー)のシュミレーション
まずは回路図
回路自体は秋月で公開されているモノと同じ。
マイクロブロアのモデルはこちらのモノを使いました。
【参考】マイクロブロア MZB1001T02 のモデルを考え直してみる
シュミレーション結果
緑はマイクロブロアに流れる電流ですが、何故か交流になっています。
青のNE555のOUT端子からマイクロブロア端子とGND間を
測定するとこの様になります。
R1は本来は半固定抵抗でしたがとりあえず25KΩの抵抗を配置しました。
マイクロブロアのもう片方の端子はGNDに接続されているので
両端間では+の電圧しか掛っていません。
駆動推奨回路のシュミレーション
秋月にはありませんが海外のサイトなどでは村田製作所のデータシート上で
駆動推奨回路が公開されています。
何処にあるかはMZB1001T02 駆動推奨回路で検索すれば出てくると思います。
回路図
LTspiceはリニアテクノロジーが提供しているシュミレーションソフト。
なのでデフォルトではリニアテクノロジーの製品が殆どです。
LM386はモデルを登録しましたが、面倒だったので
20V耐圧で秋月に売られているオペアンプ、LT1115にしました。
あとNPNとPNPトランジスタ以外は全て抵抗とコンデンサで構成されています。
シュミレーション結果
青がトランジスタと繋がっているマイクロブロア端子とGND間。
緑が分圧抵抗と繋がっているマイクロブロア端子とGND間。
赤がマイクロブロア両端子間になります。
マイクロブロア両端子間は某データシートで見たのと同じ
ACの波形になっています。
LM386と抵抗1本でも駆動可能
こちらのサイトを参考にしました。
【参考】Micro Blower MZB1001T02 を NJM386D で駆動してみる
実際に使用したのはNJM386BD、18Vまで電圧を掛けられる
オーディオ用オペアンプです。
上のサイトではゲイン端子はショートさせていましたが、
シュミレーションでもコンデンサを入れないと動作しませんでした。
実際のNJM386BDでテストしてもショートだど発振せず
0.1μFのコンデンサをいれたら発振する様になりました。
回路図
部品は
- NJM386BD
- 1Ω抵抗
- 0.1μF積層セラミックコンデンサ
の3つ。
シュミレーション上ではゲイン端子間のコンデンサは
0.1μFでも1μFでも動作しました。
BYPASS端子は未接続です。
他のオペアンプでも試してみましたが
LM386系のオペアンプでないと動作しない様です。
DC駆動なのと、オペアンプが熱を持つので
駆動推奨回路で作ってみる事にしました。
MZB1001T02 駆動推奨回路を作る
オペアンプはシュミレーションと同じLT1115。
データシート上では1チップにNPNとPNPがセットになった
モノが使われていましたが無いのでバラバラにします。
NPNがチップトランジスタ2SC3325-Y
PNPがチップトランジスタ2SA1313
後は極力、チップ部品を使用しSMD配線とします。
配置図
配線の重なる部分はビニール線か、ポリウレタン線を使用します。
完成した回路
すべてをチップ部品で入手出来なかったので
抵抗とコンデンサの一部が普通の部品となっています。
青色の線は耐熱電子ワイヤーなのではんだの熱では溶けません。
実際に使用してみると、今までエアーの出なかったエアーストーン
からもエアーが出る様になりました。
ただし、水圧に弱いので水深の半分ぐらいまでしかエアーが出ません。
秋月のNE555駆動回路をAC駆動に改造
最後に番外編。
最初に紹介した秋月のHPで公開されている回路。
これはDC駆動なのですが部品を4点ほど追加すると
AC駆動となり、すこしパワーアップします。
回路図
何が違うかと言うと、マイクロブロアの端子をGNDに落とさず
電源電圧とGNDの間に設置された抵抗とコンデンサに接続します。
抵抗は分圧抵抗として働き、1/1なので電源電圧の半分の電圧となります。
1μFのコンデンサは実際に電流が流れる部品です。
この回路にするとマイクロブロアの両端子間はAC駆動となります。