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前回作ったボールミル。
【参考】細かく粉砕出来るボールミルを自作してみた
ミルポットに輪ゴムをかける必要があるのと
使用後輪ゴムのベタつきがミルポットに残ってしまいます。
ボールミルの粉砕には時間が掛かるのでしばらく放置するのですが
輪ゴム式はちょくちょく外れて止まっていました。
この問題を解決すべく、新たにボールミル回転架台を作りました。
ボールミル回転架台の自作
今回作るのは2本のローラ-でポットを回転させる装置。
処理能力で言えば、遊星ボールミルの粉砕能力がダントツに上。
しかし、DIYで作るにはちょっと難しい構造な上に
うるさいと思うので今回は普通のタイプにしました。
構造
構造は普通の回転式ボールミル回転架台と同じ。
2本のローラがあり、ローラの間にポットを置いて回転させます。
前回は固定型の車両を使っていたのでブレやすく
ちょくちょく外れていたのではないかと思います。
2本のローラを使うので木材に穴を開け4つのベアリングを使用。
今回は面倒だったので16mmちょうどの穴を開けたら少し大きかったので
今回は圧入せず接着しました。
最初はエポキシ接着剤で接着しましたが一部取れたので
GPクリアで再接着しました。
シャフトにはM5の長ネジ
ローラには丸棒ゴム
丸棒のカットは、包丁が一番キレイに切れます。
専用の工具がある場合は、そちらの方が良いと思います。
動力
動力は3Vで動作するモーター、
3Vだと早いので、電圧を下げて回転速度を調整します。
モーターにはプラスマイナス間と各端子とケース間に0.1μFほどのコンデンサを入れます。
これは、ノイズキラーコンデンサと言いモーターから発せられるノイズを抑えます。
これが無いとマイコンなどの誤動作を引き起こします。
動力の伝達はタミヤのプーリーセットを使用
モーター側は一番小さなサイズ、ローラ側は一番大きいLサイズを使用しました。
ベルト
長時間使うとなると問題になるのが
モーターの動力をローラーに伝達するベルト。
プーリーセットに付属しているベルトも輪ゴムなのですが
数時間で輪ゴムが切れてしまいます。
ボールミルの場合、粉砕に時間が掛かるので
耐久性のあるベルトにする必要があります。
今回は長さを自由に決めれる、自分で溶着するベルトにしました。
巷ではバンコードが有名ですが、アマゾンで購入したのはこれ。
伸縮性が輪ゴムに比べると無く長さの調整が難しいので
何種類か作って試す必要はあります。
制御部
前回はモーター部のみで、回転速度の制御は安定化電源だったので
今回は制御部分も作りました。
電源はマイクロUSB端子なので、アンドロイドなどの充電ケーブルが使えます。
端子は秋月のマイクロUSB端子DIP化基板を使用しましたが
基板には過電流をブロックするポリスイッチが入っているのでショートして
無効化しました。
電圧(速度)調整用にボリュームの横向に設置。
ちょうど良い金具が無かったのと、
落とした時にボリュームが壊れるのと防ぐため横向にしました。
マイコン
ボールミル回転架台の正面にはボタンがあり、
電源接続後ボタンを押す事で回転を開始します。
停止もボタンを押せば止まります。
制御にはPIC(PIC12F675)を使用。
モーター部に温度センサーを付け加熱保護。
PICのアナログ入力を使用し過電圧保護。
また、2Aのヒューズを搭載し過電流保護としました。
ミルポット
ミルポットには100mlの広口丸型容器を使用。
メディア(ボール)にはステンレス球を使用しました。
ほとんど直径9.52mmのステンレス球。
アマゾンの上の商品だとお高いので、東急ハンズでまとめ買いしました。
容器の約4分の1程度ぐらいまでボールを入れます。
鉄球でも良いのでしょうが、しばらく使わないうちに錆びてしまうと面倒なので
割高なステンレス球にしました。
ボールミル粉砕原理
ボールミルは摩擦力と衝撃力を使って粉砕します。
摩擦力
ボールとボールの間を材料が通ったり
ボールとボールに押し潰される事で粉砕します。
衝撃力
ポットが回転する事でボールが落ちる時に
ボールとポットとの間に衝撃力が発生します。
ボールが落ちる時に材料が衝撃力によって粉砕されます。
詳しくはこちら。
回転速度は早い方が処理能力も上がりますが
早くすると遠心力でボールがポットに張り付いてしまい
衝撃力が発生しないのでで粉砕能力は格段に落ちます。
まだ、振動も激しくなるので場合によっては
ポットがローラから外れる可能性があります。
回転速度は少し低めの方が良いと思います。
先日は速度を早めにしていたらポットが変な方向を向いていて
モーターストール。
電圧は低めでしたが、以降低くめの電圧では回転を開始しなくなり、
分解してみたらブラシに穴が開いていました。
用途
金魚のココア餌を作ったり、メダカ稚魚の餌を作るのに使用します。
前作では金魚の餌を完全に粉砕出来てませんでしたが
今回のは完全の粉砕出来る様になりました。
時間は8時間程度。
騒音を抑える為にゴム板を引いた、クローゼットの棚で動かしています。
寝ている間だとうるさいので、
仕事に行く前にセットし帰ってきたら止める様にしています。
あとがき
一番面倒なのが完成した微粉末の取り出しと
メディアと容器の洗浄。
微粉末を取り出す時は茶こしを使って
ボールと粉末に分けます。